
IT業界におけるテスターという職種について紹介します。
未経験でも参入しやすい職種になので、IT業界に興味がある人は要チェック!
はじめに
スマートフォンが普及し、気軽に様々なアプリに触れることができるようになりました。
今までゲームに興味がなかった人でも、今ではゲーマー!という程やりこんでいる人が周りにもいるんじゃないでしょうか。
今回はそんなゲーム業界の品質を支える仕事の1つ、「テスター」について紹介します。
わからない単語/用語がありましたら、用語集も参照ください。
補足
テスターという言葉は、マイナスなイメージで使われる場合もあります。
本サイトではテスト業務を主に担当する人を指して使用しています。
テスターとは?
テスターとは「テスト」と呼ばれる業務を行う人達のことを言います。
テストとは作られたサービスやアプリの確認を行う作業です。
試験、検証とも呼ばれます。
例えば、自動販売機で100円のジュースを購入する時、100円を入れてランプが光って、ボタンを押してディスプレイと同じジュースが出てくればOK!
といった感じです。
これを120円のジュースでも問題ないか、あたたかい、つめたい飲み物でも問題ないか
といったことをテストしていきます。
また、テストと言っても様々で、
- 仕様通りにアプリが作られているかの確認
- 各種端末(スマートフォン)で問題なく動作するか確認
- ひたすら触って不具合を出す作業
- そもそもアプリとして面白いか、ユーザーが求めているかの確認
など、多岐に渡ります。
テストによって詳細な作業は異なってきますが、今回は一般的に行われているテスト作業について紹介していきます。
テスターの具体的な仕事内容
テスターの業務は大きく3つに分けられます。
- 仕様書を読む
- テスト実施をする
- 不具合報告をする
仕様書を読む
どんな製品なのか、ボタンを押すとどうなるのか?
といった説明がされている資料を仕様書と呼びます。
テストを行う上で、この仕様を理解することはとても重要です。
簡単に言うと製品の説明書のようなものです。
例えば、自動販売機に500円玉を入れて、100円のジュースを購入する時をイメージしてみてください。
100円のジュースのボタンを押して、ジュースが出てきました。
その後、残りの400円は
自動で返金がされますか?
それとも400円が残って続けて購入できるようになりますか?
人によって意見が異なるのではないでしょうか。
例えば、「400円の場合はまだ購入できる飲み物があるからそのまま、購入できる飲み物がない場合は自動で返金する」
といった製品の動作を定義したものが仕様です。
この仕様がわからない状態で、テストを行っても残りの小銭がどのようになるかがわからず、OKという判断が出来なってしまいます。
テストを実施する
テストをしている会社であれば、テスト項目書と呼ばれる、
テストをするための手順や期待値をまとめたものを用意してくれています。
正しい挙動は仕様書に書かれていますが、それを全て覚えてテストするのは大変なので、
手順 :500円入れて100円のジュースのボタンを押す
期待値:ボタンを押したジュースと同じものが出てきて、小銭の400円は返金されない
といった感じで手順と期待値として用意します。
そのため、基本的にはテスト項目書の通りに作業をして結果がどうだったかを記入していけばOKです。
問題なく実施できたら「OK」と記載し、問題があった場合は「NG」と記載します。
※OK/NGという結果に使う単語は会社によって異なる場合があります
NGだった場合は、どのように期待値と異なっていたかを「不具合」として報告します。

不具合を報告する
テストの結果がNGとなった場合はその旨を開発者に伝える必要があります。
その際、「不具合表」と呼ばれる不具合の詳細をまとめたドキュメントを作成します。
最初からいきなり「一人で不具合表を書いて!」ということは少ないと思いますが、
いずれ一人で不具合表を書けるようになることは大切です。
不具合を伝える手段は会社によって様々ですが、何かしら報告する場所が用意されているはずです。
報告内容については予め決まっていることも多く、基本的にはその項目を埋めていけばOKです。
慣れないうちは内容を書きすぎて冗長になってしまったり、逆に内容をシンプルにしすぎて伝えたい事が伝わらなかったりと、苦戦すると思います。
テスト業務の中でも難しい業務となりますので、他の人の不具合表を参考にしながら書いてみるのが良いです。

テスターに必要なスキルは?
未経験OKで募集されることも多いテスターですが、作業をする上で必要なスキルや望ましいスキルを紹介していきます。
パソコンの操作
IT業界でのテスターはパソコンの操作技術は必要です。
例えば、スマートフォンのアプリのテストだとしても、業務の大半はパソコン上で行います。
タイピングできません、マウス使えませんという状態だと厳しいと思いますが、
得意じゃないくらいであればパソコン操作からフォローしてくれる会社もあります。
テスター業務では不具合が発生した場合に、画面のキャプチャを撮って報告することが多くなります。
そのため、画面キャプチャの方法を覚えておくと良いでしょう。
また、Webサービスのテストをするのであれば、
- Webブラウザ(Chrome,IE,Safari等)が何者なのか?
- 起動はどうすればいいのか?
くらいは頭に入れておきましょう!
タイピングスキル
速いタイピングスキルまでは求められませんが、指1本で入力している状況だと厳しいかもしれません。
昨今ではチャットツールでコミュニケーションをする企業が多くなっています。
円滑なコミュニケーションのためにも、タイピングが苦手な方は練習しておきましょう。
Excel / スプレッドシートの操作
テスト業務では、Excelやスプレッドシートを使うことが多くあります。
テスト項目書や不具合をExcelで管理している会社さんが多くあるからです。
関数をしっかり覚えましょう!って程ではないですが、最低限の操作方法を身に着けておきましょう。
スマートフォン操作
スマートフォン対応のアプリをテストする場合にはスマートフォンの操作を覚えておきましょう。
こちらはプライベートでも使っている方がほとんどだと思いますが、実際のテスト業務では様々なスマートフォンを扱います。
普段使っているスマートフォンがiPhone(iOS)の場合、Androidも基本的な操作くらいは出来るようになっておきましょう。
- 今あなたが使っているスマートフォンのOSバージョンはいくつですか?
- アプリをタスクキルしてから再度起動してみてください!
- アプリの画面をスクリーンショットを撮っておいてください!
と言われて内容を理解できるようになっていれば安心です。
さいごに
今回はテスターについて紹介しました。
IT業界には様々な職種がありますが、その中でもテスターは比較的敷居が低い職種です。
実際にやってみると奥が深く、考えることも思った以上に多くあります。
「テストは淡々と作業をこなすだけでつまらない!」
という方も多くいらっしゃいますし、否定はしません。
ただ、それは何も考えずにテストをしている場合に起こり得ると思っています。
- なぜこのテストをしているのか?
- もっとテスト時間を短縮できないだろうか?
- 不具合起票をもっとシンプルに書くにはどうしたらいいのだろうか?
こういったことを日頃から考えて業務をしていると、何か見えてくるかもしれません。
また、1点注意点として、これからの流れとして単純なテスト作業は自動化されていきます。
まずは今回紹介した内容をしっかりできるようになることが大切ですが、
将来的にはテスト項目書を作れるようになったり、どういうテストをしたらいいのか?といったスキルを身に着けていく必要があります。
どういうテストをするのかを考え、テスト項目書を作成し、テスト実施終了まで行う人をテストエンジニアと呼びます。
まずはテスターの経験をし、もしテスト業界に魅力を感じたなら、是非テストエンジニアを目指して頑張ってみてください!