今回はバグトラッキングシステム、通称「BTS」について紹介します。
QA業界で働いている方はすでにご存知の方も多いと思いますが、テスト作業をする上で欠かせないツールです。
はじめに
BTSは複数存在し、会社によって導入しているシステムは異なります。
今回は10社くらい見てきた筆者が抑えておけば良いBTSを3つ紹介します。
有名どころになりますし、今回紹介するものを知っておけばとりあえずOKです!
バグトラッキングシステムとは?
テスト作業をしていくと不具合が見つかります。
その不具合を登録(起票)し、開発の方に直してもらい、そしてクローズまで管理するためのツールをバグトラッキングシステムと呼びます。
簡単に言うと不具合を登録/管理するための場所です。
- テストをする
- 不具合が見つかる
- BTSに不具合を登録する
- 不具合の修正確認をして、BTSに登録したチケットを完了にする
- 過去の不具合をBTSで確認して次のテストに活かす
チャットで不具合を報告してもその時は良いかもしれませんが、あとから参照するときに大変ですよね。
紙で不具合を報告するとしたら、共有がとても大変なのは容易に想像できます。
バグトラッキングシステムを使えば、発生した不具合をWeb上に保存し、共有と参照が簡単にできます。
スプレッドシートやExcelでも似たようなことが出来ますが、不具合管理に特化させて便利になっているのがバグトラッキングシステムだと理解してもらえればOKです。
バグトラッキングシステムで出来ること
- 不具合を登録できる(共有)
- 登録した不具合の状況がわかる(修正中なのか、未着手なのか)
- 登録した不具合を完了できる
- 過去の不具合を参照できる
タスク管理ツールをご存知な方はそちらをイメージして頂ければOKです。
そもそも、BTSとして使われているツールは不具合管理だけで使われず、プロジェクトの管理ツールとしてタスク管理にも使われることが殆どです。
バグトラッキングシステムの主な機能
BTSによって異なりますが、主な機能について紹介します。
チケット(タスク)の作成
不具合情報をBTS上に作成できます。
基本的にはWebサービスで、ネット上に不具合情報を登録するイメージです。
Webサービスなので、ネット環境があれば共有が容易です。
BTSで起票された不具合は「チケット」や「タスク」と呼ばれることが多いです。
発行されたチケットは個別のURLを持っているため、そのURLを共有することで不具合の共有が簡単になります。
優先度(Priority)の設定
作成したチケットには優先度をつけることが出来ます。
一定数不具合が出てきた際には、どの不具合を優先して対応すれば良いのかわかることが重要です。
ステータスの変更
不具合が今どのような状態なのか、それをステータスとして設定出来ます。
例
- 不具合が起票された直後の状態(新規、New)
- 開発者が着手している状態(着手中、InProgress)
- 修正確認可能な状態(テスト可能、Testing)
- 修正確認完了(完了、Done、Close)
不具合のチケットが現在どういう状況かを設定(定義)することで、不具合管理をスムーズに進めることが出来ます。
ステータスの種類は自由に設定できるので、プロダクトによって様々です。
どのようなステータスがあって、どういう定義なのかは事前に確認しましょう。
担当者の変更
ステータス同様、チケットに担当者を設定することが出来ます。
設定することで担当者にBTS上で通知がいったり、メールで通知してくれます。
担当者があることで、「自分が対応する不具合」とわかりやすくなります。
画像、動画の添付
チケットを作成した際に、不具合の画像や動画を添付することが出来ます。
別途ドライブなどに格納する必要がないため、BTS上で全て完結するので便利です。
バグトラッキングシステムの種類・比較
冒頭で話した通り、今回はBTSを3つ紹介します。
- JIRA
- Backlog
- Redmine
いずれも「不具合管理」だけのツールではありません。
基本的にはプロジェクト管理ツールとして使われつつ、不具合管理にも使われることが多いです。
JIRA
JIRAはアトラシアン社が提供しているBTSです。
有料のツールになるため、ある程度の規模の会社が導入しているイメージです。
他のアトラシアン製品を導入している場合には、色々と連携が出来て魅力的なBTSです。
例えば、Confluenceを使っている企業ではJIRAと連携して不具合レポートを作成したりしていました。
Redmine
Redmineはプロジェクト管理ツールで「オープンソースソフトウェア」です。
OSSになるので無料で利用することが出来ます。
無料で利用できますが、自分でサーバーを用意する必要があります。
カスタマイズ性が高く、会社によって使い方や項目が異なっているため、初心者には少し難しいかもしれません。
とはいえ、Redmineを使う場合はすでに会社で導入されていると思いますので、基本的な使い方は他のBTSとそこまで変わりありません。
Backlog
10人未満で使う場合は無料で使用できるので、気になる方は自分で登録して触ってみてください。
基本的な操作方法や設定項目は、どのBTSでも共通しているものも多いです。
画面もポップに仕上がっており、比較的初心者には取っ付きやすいのでオススメです。
Excel / スプレッドシート
おまけとしてExcel / スプレッドシートを紹介します。
会社によってはBTSを使わずExcelで管理しているところもあります。
BTSはあくまでツールに過ぎないので、Excelで問題なく管理できるのであればそれで問題ありません。
もちろん、Excelはバグトラッキングシステムとして作られたツールではないため、ある程度工夫してフォーマットやルールを作る必要があります。
テスト項目書をExcelで作っている所も多いので、そのまま不具合の管理もExcelでやる方が導入コストが低いことがメリットです。
また、業界経験の浅いテスターさんでも、Excelなら触ったことあります!
という方は多いので学習コストが低くて良いのも利点です。
さいごに
今回はバグトラッキングシステムを紹介しました。
QA業界で働いていくならば、どこかで触るツールになると思いますので、是非使いかたを覚えましょう。
無料で使えるツールもあるので、興味がある方は是非個人で触ってみてください!