今回はテスト項目書を作る際によく使う関数を紹介するよ!
はじめに
テスト項目書(スクリプト)を作る際、スプレッドシートやExcelを使っている会社も多いでしょう。
項目書は基本的に同じフォーマットで作成することも多いため、前任者の作った関数をそのまま使っていることも多々あると思います。
動いているうちはいいのですが、何かあったときのメンテナンスが出来なかったり、複雑な関数になっていて誰も触れないとなってしまっては困ります。
自分でも関数を理解すると幅が広がると思いますので、是非今回紹介する関数はマスターしてみてください。
関数
ROW関数
項目書のNoを振る際に使うことが多いのがROW関数です。
=ROW(セル番地)
ROW関数を使うことで、自動で項目Noを更新できるようになります。
ROWの括弧の中(引数)にセル番地を入れることで、そのセル番地が何行目かを表示します。
例えば、=ROW(A2)とした場合、A2は「2行目」になるので「2」と表示されます。
ROW関数は行数しか参照しないため、B2でもC2でも「2」という値が表示されます。
=ROW()と括弧の中(引数)を空にした場合、そのROW関数を入力したセルの番地の行数を表示するようになります。
つまり、A2のセルに=ROW()とした場合、同様に「2」が表示されます。
=ROW(A2)とした場合と違い、今のセルの番地を取得しているので、行が追加されて行番号が変わるとROWで表示する値も変化します。
この特性を活かすことで、自動で番号を表示する状態にすることができます。
今回は1行目から始めているので、=ROW()で良いですが、
これを例えば5行目を始点にして1からカウントしたい場合は、
「=ROW()-4」としましょう。
5行目に記載したROW()で「5」という値が返り、それにマイナス4しているので「1」となります。
このテクニックを使うことでどこの行数から入力しても綺麗にNoを入力できます!
Row関数のデメリット
テスト項目書として使う機会が多いROW関数ですが、メリットだけではありません。
例えば…。
不具合を見つけて「No10の項目です」とメモをしていたが項目が追加されることで自動でNoが変わってしまい、当初の「No10」がいくつなのかわからなくなる
ということも起こり得ます。
上記のように万能な関数ではないのですが、便利な関数ですので上手く使いましょう!
ちなみに、ROWは行を意味しており、列の場合はCOLUMNになります。
ROW関数と同様にCOLUMN関数も使うことが出来ます。
COUNTIF関数
項目数や実施数を計算する際によく使うのがCOUNTIF関数です。
各実施ステータスの数(OKやNG)をカウントする際に使うことが多いでしょう。
=COUNTIF(範囲, 条件)
範囲に集計範囲を、条件にカウントする条件を記載します。
動画を用意したので是非ご覧ください。
動画では、B列に「OK」が何個あるかを表示してくれています。
OKという文字を探せ!という関数になるので、ダブルクォーテーション(“)で囲み、”OK”と記述します。
上記のように””で囲む方法もありますが、動画でNGに入れた関数のようにセルで指定することも可能です。
基本的にテスト項目書に集計数を表示させる場合には、その値が何を示しているのかも合わせて隣のセル等に書くと思いますので、セルを指定して作るのがオススメです。
実施ステータス入力欄には、プルダウンの設定を行い、COUNTIFと同様のステータスが入力されるようにすることで、変更に強い構成にすることが可能です!
IMPORTRANGE関数
Excelにはないスプレッドシートで便利に使える関数です。
=IMPORTRANGE(“スプレッドシートURL”, “シート名!セル番地”)
IMPORTTANGE関数は、他のスプレッドシートを参照する際に使います。
同じスプレッドシート内であれば、=入力後にクリックしたりセル番地を入力すれば参照できますが、他のスプレッドシートの場合はそれが出来ません。
その場合にはIMPORTRANGE関数を使いましょう。
スプレッドシート「デモ」にスプレッドシート「デモ2」の「集計」というシートのA1からC5までの情報を表示させたい場合、
=IMPORTRANGE(“デモ2のURL”, “集計!A1:C5”)
と記載します。
スプレッドシートのURLはデモ2を開いた際にアドレス欄に表示されているもの丸々記載すればOKです。
ttps://docs.google.com/spreadsheets/d/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX/edit#gid=0
↑こんな感じのURLのマーカー部分
注意点としては、
・値だけを表示させるので、「書式」は別扱い
・値を更新させたい場合は元のファイルを更新する
・IMPORTRANGEで表示させる範囲に値があるとエラーになる
といった点があげられます。
また動画内でもやっていますが、IMPORTRANGEで表示している値を削除することは出来ません。
この特性を活かし、テスト項目書の実施用のファイルはIMPORTRANGE関数で項目書を表示させるといった使い方をよくしています。
テスト時に間違って項目を消すこともないですし、同じ項目を使いまわしている場合に修正が1回で済むので非常に効率的です。
IMPORTRANGE関数は上記のようにスプレッドシートを跨いで表示するだけでなく、関数を組み合わせることも可能です。
例えば、デモ2の集計シートにあるA1〜A10上の「OK」の数を知りたい場合、
=COUNTIF(IMPORTRANGE(“デモ2のURL”,”集計!A1:A10″),”OK”)
と記述することも可能です。
関数の組み合わせで汎用性がかなり高くなるので、上手く使ってみてください!
おわりに
テスト項目書を作る上でよく使う関数を3つでした。
VLOOKUP関数やINDIRECT関数、QUERY関数など、他にも使うと便利な関数はたくさんあります。
全ての関数を覚えるのは現実的ではないため、まずは「こうできたら便利なんだけどなぁ」という気持ちから、実現できる関数がないかを調べてみると良いです。