
今回はBtoCサービスのソフトウェアテストについて紹介するよ
はじめに
品質保証の活動をする上で、BtoCとBtoBのテスト観点には多くの違いがあります。
BtoCは「一般の消費者」を対象としているため、品質への考え方もBtoBと比較して異なります。
今回はその違いについて触れてみようと思いますので、今後キャリアを考えている方の参考になれば幸いです!
BtoCとBtoB
まずはBtoCとBtoBの違いについて簡単に説明します。
BtoCはBusiness to Consumerの略称で、一般の消費者向けのサービスを提供するビジネスモデルです。
一方、BtoBはBusiness to Businessの略称で、企業向けのサービスを提供するビジネスモデルとなります。
BtoCで意識すること
BtoCでは、BtoBと比較して多くの人々がアプリに触れることになります。
利用シーンも多様で、電車内でのゲームプレイや漫画アプリを使う人も多いと思います。
多くの人々に使用されるからこそ、以下のような課題が発生します。
・使用する端末がばらばら
・アクセスの回数が多い
・良いユーザーもいれば悪いユーザーもいる
それぞれについて説明していきます!
消費者によって使用する端末がばらばら
例えば、スマートフォンのアプリのテストを考えてみます。
まず「アプリが起動しない」という致命的な不具合はなんとしても回避したいですよね。
その場合どのようなテストが必要になるかというと、
様々な種類の端末で起動を確認するようなテストが必要になってきます。
端末だけならまだしも、端末毎に「OS」という概念も出てきます。
さらに、ユーザーはどんどん新しい端末を使用していくため、テストする側も新しい端末でチェックする必要があります。
完璧を目指すとすれば、「全ての端末で全てのOSの組み合わせで全てテスト」といった方法が必要となりますが、現実的にはコストと効果を天秤にかけなければなりません。
そこで、次のような方法を検討することが大切です。
・端末のシェア(利用)率から端末を選定する
・OSのシェア(利用)率から端末を選定する
・クリティカルな不具合がでるケースだけ実行する
重要なのは、「どこまで品質を守るか」というのを定義することです。
ユーザーは多様なスマートフォンを使っているので、端末に対する品質の考え方はしっかりと持つ必要があります。
また、端末(メーカー)によって挙動が違うということも往々にしてあるので、
ここのメーカーだと表示崩れが毎回おこる…!
このチップだと発熱がすごいから処理落ちが起きる…!
というような、端末の知識があるとよりレベルの高いテストが可能となります。
アクセス回数が多い
サービスによってはtoBでも同様のことが言えるのですが、toCの方が同時アクセスを行うサービスが多いです。
スマートフォンのアプリを使っている中で目にしたことがあると思いますが、
新規リリースのアプリは初日にサーバーがダウンしたり、不具合が…。
ということは珍しくないですよね。
負荷テストに関してはエンジニア側で対応することが多いですが、スキルの高いQAの人であれば実施もします。
実施は出来なくとも、QAとしてアクセス負荷やパフォーマンスに対する意識があれば、
どこかで他の人のヒントになるかもしれませんし、それが重大なバグの防止になることもあります。
良いユーザーもいれば悪いユーザーもいる
多くのユーザーは正しくアプリを使ってくれますが、悲しいことに悪い使い方をするユーザーがいるのも事実です。
その際、他のユーザーの不利益になったり、会社の不利益になることは避けなければなりません。
QAとしては非機能テストを多くしたり、外部ツールを使用して不正利用できないかの確認するなど、悪いユーザーを想定した観点も必要になってきます。
例えば、連打ツールをつかってボタンを不必要に連打してみたり、
外部ツールからリクエスト大量に送ってみたり、といった具合です。
私がゲームのテストで発見した不具合の1つに、
・プレゼントを受け取る際のリクエストとレスポンスを増やして大量にアイテムをゲットできる
といったものもありました。
もちろん、そういった使い方をした場合は、最終的にBAN(利用停止)になりますが、
そのBANをする工数もタダではありませんし、想定外のリクエストでサーバーの負荷にもなります。
仮に検知が出来なかった場合はBANも出来ず、大きな損害に繋がることも考えられます。
一般ユーザーの気持ちになってテストをすることは大切ですが、
悪いユーザーなら何をするか?といったテスト観点もtoCでは重要です。
一方、toBでは会社間での取引になるので、不正利用は起こりづらい傾向にあります。
自分のQAしているサービスに順応しよう!
紹介してきた内容は提供しているサービスによってきますので、
toBとtoCという括りだけで話せる内容ではないということは注意してください!
あくまで、そういうサービスが多い傾向にあるということですので、
自分が担当しているサービスに順応しながらテスト観点を考えていきましょう!